感覚

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  1人で笑いながら帰って行く和樹の背中を見送った。              だんだんと階段を下りてくる生徒が増えてきた。   俺は緊張気味に柚依を探す。                 俺(あッ//いた!)            柚依の隣には柚依の友達もいたが俺は構わず駆け寄った。   俺「ちょッ,ちょっと!」           その声は他の生徒の声にかき消された。  俺「ちょッ//柚依さん!!」                その声に柚依は少しビクッとして後ろを振り返る。   柚依「はッ…はいッ?//」                 柚依は顔を赤らめて返事をする。   俺(ッ…か,可愛い…//)                俺はまた惚れてしまった。            柚依「なッ,なんでしょう?//」   俺「あッ//こッ,これ朝落として行ったんで…届けるのが遅れて…//ごッ,ゴメン//」                 年下の女子に自分から話しかけたなんて初めてだった達也の顔はドンドン赤くなっていく。   柚依「ありがとうございます//。」   俺「じゃッ//」             俺は赤くなっていく顔を隠すように逃げ出していた。   柚依「ちょっと//待って下さい!」   声が聞こえたが何を言っているかわからなかった。   柚依「行っちゃった…」     柚依は走り去っていく達也の後ろ姿を見送るしかできなかった。
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