始まりの鐘は学校のチャイム

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「なあ、じいさん‥‥まだ、着かへんのん?」 「‥‥‥‥。」 烈神は5時間に渡る空飛ぶ汽車の旅にとうとう痺れを切らし、目の前の老人に話しかける。 「そんなにせかすでない。ほれ、隣のレイスなぞ静かなもんじゃ」 「‥‥‥‥。」 この老人は魔法学園「アルビオン」の学園長のアル・ビオン。 優秀な魔法使いがいると聞き、スカウトに行って帰っている最中である。 もちろん、その優秀な魔法使いとは、目の前にいる青年、天野烈神(あまの れっしん)とレイス・アーサーだ。 「コイツは基本的に口開かへんのや。せやけど顔見たらわかるやろ。かなり不満タラタラやで?」 「ふむ‥‥ワシには変わったようには見えんが‥‥」 「わいは長年ツルんどるさかい、一目みたらそんぐらいわかるわ」 「ほう‥‥まあ、どの道もうすぐじゃがの」 「なら早よ言え」 この関西弁の男は烈神。いつもレイスと行動を共にしている小さい頃からの馴染みだ。 目と髪は黒く、後ろ髪は首の後ろでくくり、肩甲骨まである。右はそうでもないが、前髪は長く、左目は隠れている。 実を言うと関西生まれでも関西育ちでもない、ただのエセ関西人。本人が気に入っているだけ 顔立ちは異常に良く、街ですれ違うと振り返ってしまいそうなほどだ。
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