11301人が本棚に入れています
本棚に追加
/483ページ
「なあ、じいさん‥‥まだ、着かへんのん?」
「‥‥‥‥。」
烈神は5時間に渡る空飛ぶ汽車の旅にとうとう痺れを切らし、目の前の老人に話しかける。
「そんなにせかすでない。ほれ、隣のレイスなぞ静かなもんじゃ」
「‥‥‥‥。」
この老人は魔法学園「アルビオン」の学園長のアル・ビオン。
優秀な魔法使いがいると聞き、スカウトに行って帰っている最中である。
もちろん、その優秀な魔法使いとは、目の前にいる青年、天野烈神(あまの れっしん)とレイス・アーサーだ。
「コイツは基本的に口開かへんのや。せやけど顔見たらわかるやろ。かなり不満タラタラやで?」
「ふむ‥‥ワシには変わったようには見えんが‥‥」
「わいは長年ツルんどるさかい、一目みたらそんぐらいわかるわ」
「ほう‥‥まあ、どの道もうすぐじゃがの」
「なら早よ言え」
この関西弁の男は烈神。いつもレイスと行動を共にしている小さい頃からの馴染みだ。
目と髪は黒く、後ろ髪は首の後ろでくくり、肩甲骨まである。右はそうでもないが、前髪は長く、左目は隠れている。
実を言うと関西生まれでも関西育ちでもない、ただのエセ関西人。本人が気に入っているだけ
顔立ちは異常に良く、街ですれ違うと振り返ってしまいそうなほどだ。
最初のコメントを投稿しよう!