偽・捨て猫狂想曲(ラプソディ)。

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どうやら私は文章を書くと教訓くさくしてしまう癖があるらしく、その台本もまるで道徳の教科書のように随分と教訓くさい話になりました。 でも、道徳の教科書は読んで答えを自分で見つける物。 私の台本は、私の考えに基づいて書かれています。 その為に、私は自分の考えを煮詰めて突き詰めて、11年ハムスターを飼っている自分の経験も元にして、月並みでも自分が声高に叫べるような自分の答えを精一杯探しました。 猫を飼うという事は、霊長類ヒト科ヒトとネコ科イエネコの間に主従の格差をつける事とも取れます。 だとしたら、主である私達は猫に対して何をしなくてはいけないでしょうか。 人間も一つの命、猫も一つの命、魚も一つの命。 全ての命は平等と言うけれど、飼われる命、食べられる命の違いがあるのは何故でしょうか。 そんな問いを台本の中で主人公に投げ、私はそれに自分なりの答えを見つけ、主人公の口を借りて答えました。 初めて書いた台本というのもありますが、全力で自分と向き合った作品として、今でも印象深く心の中に残っています。 このお話は、そんな経験のある私が体験した、一匹の捨て猫にまつわるお話です。
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