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再び眼が開かれた時は、もう現実だった。
隣で眠っていたレナの姿が見当たらない。
「レナ…?」
名前を呼ぶが、森のざわめきしか聞こえない。
(一人になっちまった…。)
まるで、夢の続きを見ているようだ。
「どこ行きやがった!あのくそチビ…。」
孤独が一気にレイを襲う。
(俺には関係ないんだ…。もしかしたら昨日のことは夢だったのかもしれない。)
「俺は、行かなきゃならないんだ…。」
「どこに~?」
うなだれているレイの顔を覗き込む不気味な仮面。
「うわーーーっ!?!?」
「うるさいなぁ。叫ばないでよ~!」
「レナ!?」
「だから、なぁに?」
両耳を塞ぎ呆れた声でレイを見下ろしている。
「何って…どこに行ってたんだよ?」
「花が咲いてたからね~摘んできたの!」
「花?」
「うん!いっぱい摘んできたからレイちゃんにもあげる~!」
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