prologue

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カツンカツン 長い廊下を一人の男が歩いていた。 窓がなく太陽が差し込まないこの空間は地下なのだろう。 石畳でできた洞窟のような長い廊下は「永遠」を感じさせる。 カツンカツン… 延々と続く長い廊下は行き止まりになり、一つの扉が男を立ち止まらせる。 キィッ 男が扉を開けた先には一人の少女が眠っていた。 呼吸はしておらず、どうやらもう死んでいるようだ。 「リリィ…。」 男は少女の亡きがらを抱きながらそう小さく呟いた。 「待ってて…もうすぐだから…。」 少女をそっと寝かせ再び長い廊下を歩いていく。 カツンカツン (リリィ…もうすぐだから待ってて。俺が再び此処に戻ってくる時は君を蘇らせた時だよ。) 薄暗いが確かな闇に男はのまれていった。 「永遠」の闇に…。
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