因果は因果の中に

7/19
前へ
/53ページ
次へ
「わかったよ…。帝都の研究員がねぇ…。」 宿主の言葉にレイはピタリと足を止めた。 “帝都の研究員”という言葉に…。 「研究員の狙いは若い女だ。気をつけてくれよ。3日後にまた来るから!」 少年が宿から出ようとする。 レイは思わず少年の腕を掴んでいた。 「あ…えっと。」 「なんだよ。何か用か?」 「あのさ…。」 レイは何かを言いかけたが俯き口ごもる。 その様子に少年は大きく溜息をついた。 「用がないならもう行くから。」 「待て!待ってくれ…。」 「なら早く話せよ。」 面倒臭そうに目を細める少年。 「此処じゃちょっと…部屋に案内するよ。」 「チッめんどくせぇ。」 少年は舌打ちをしながらその言葉に従う。 「わりぃな。」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加