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どうやら“子供”はNGワードのようだ。
声を荒げる少年は、握りこぶしをブンブン振り回して怒っている。
「ああ、ごめんごめん。話しは戻るが村に研究員が来るということは…やっぱりあれなのか?」
少年は納得のいかないような目でレイを睨み、溜息をついた。
「…被験者収拾さ。決まっているだろ?」
「そうか…。」
(被験者収拾…この村も帝都の支配下か。)
「んで、お前は何者?僕の素性をお前に教えてやったんだ。お前も教えろよ。」
少年の金色の猫のような目がレイを捉えた。
レイは少年の言葉にたじろぐ。
「素性もなにも俺は普通のどこにでもいるような旅の者だ。」
「ふ~ん。じゃあ旅の目的は?」
レイの焦りは少年にも伝わり、少年はニヤリとほくそ笑んだ。
「言えないの?」
「そんなんじゃねぇけど…。」
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