始まりが君だった

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帝都アルフォーテに向かう為にはアルグレッサの森を抜けなければならない。 アルグレッサの森には猛獣がたくさん住んでいる。帝都に向かう旅の者は皆ここで命を落としていくのだろう。行く先々には必ずと言っていいほど人間の骨が散らばっている。 別名、黄泉の入口とも言われるこの危険な森にレイは悪戦苦闘していた。 「くそっ!こんな所でくたばる訳にはいかねぇってのに。」 所々負傷していて血が流れている。 目の前の獣はグルルと唸っていて今にも飛び掛かってきそうだ。 「仕方ねぇな…。」 レイは、懐から火炎爆弾―睡眠型を取り出し獣に向かって投げた。 バンッ (取り敢えず水辺の方に向かった方が得策だな。) 大きな音と共に煙りが辺りに立ち込める。 煙りを吸わないように手ぬぐいで口と鼻を塞ぐ。 獣の寝息を耳にしたあとレイはその場から離れた。
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