始まりが君だった

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しばらく歩いていると開けた場所に出た。 「!?」 レイは絶句した。 その光景は正に異様。 澄んだ湖の中から球状の淡い青色をしたものが天上に昇っていく。しかも、それは一つではない。何百、何千ものそれが空を覆い尽くしている。 「なんなんだ?コレ…。」 (幻影?幻?見たこともない。こんなの。) ザッ しばらく魅入っていると、草の踏む音が湖の辺から聞こえてきた。 (誰だ!?獣か!?) 目を凝らして見遣ると一人の少女がじっと不可解な光を見つめていた。 (女?迷い子か?いや、しかしこんな森にあんな恰好で?) 白いワンピースを身に纏っているだけのその風貌はいつ獣に襲われて死んでも可笑しくはない。 それに、よく見てみると顔は仮面で隠されている。 「なんだ?あの悪趣味な仮面…。」 先程からレイの頭の中はクエスチョンマークだらけ。しばらく考え込み草むらに身を潜め観察することにした。
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