始まりが君だった

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少女は全くと言っていいほどその場から離れようとしない。 (マネキンか?アイツ。) そう不信に少女を観察しているとくるりと身を翻した。 「なんでさっきから話しかけてこないのー?私、ずっと待ってるのにー。」 この場に似つかわしくない間延びされた声が辺りに響く。 (俺に話し掛けてんの?これって。てゆーか俺しかいねぇしな。) 「あ…ああ。ごめんごめん。こんな危ない森に女の子がいちゃいけないよ?」 「大丈夫だよ!君はなんで此処に来れたの?」 (来れた…?普通は来れない場所なのか?) 少女の質問に疑問を抱きながらも彼女に近寄ってみようと歩き出した。 「来ちゃ駄目だよ。」 少女は先程よりも少し低い声でレイを制した。 子供とは思えない妙な威圧感に足を止める。 「なんで?」 「危ないから。私がそっちに行く。」 (何が危ないんだよ?お前の方が危ねぇよ。) 少女はレイに向かって歩みだしザッザッと音を鳴らす。 レイは不気味な仮面がこちらに向かってくることに少し嫌悪感を抱いた。
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