第一章

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事の始まりは、皆より遅かったのだ。 2004年、 9月。新学期。 しかしまだ暑く、朝でありながらもアスファルトに反射された熱が気温より暑く感じさせる。 パシッ。 後ろからランドセルを叩かれて、反射的に蛍は振り向いた。 「おはよー」 笑顔で話しかけてくるのは、クラスの違う友達、歩美だった。 「あ、歩美ちゃんかぁ。びっくりしたー」 歩美とは、幼稚園から一緒で、家が近いため、よく登校途中に会い、一緒に学校へ行くことが多いのだ。 「朝練とかマジめんどいよねー。」 「そうだね、日曜とかも面倒臭いよね」
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