爺少女

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ワシは小学3年生だ。 なんというか、 前世ではあまり勉強の 出来ない時代に 生まれたからか、 今は楽しんで勉学に 励んでいる。うむ、面白い。 「しおりさん、 今日ワタクシの家で お茶しませんこと? 母がクッキーを 焼いておりますので」 さて、前世と聞いて 何を言ってると 思われたかもしれないが、 実際自分でも 良く分からない。 寿命で息子や孫達に 看取られ死んだと思ったら、 今度はいきなり 赤ん坊になって 女人の股から出てきたん だからの。 しかもその女人は、 前世での息子の嫁。 つまりワシは今、 息子の子供だ。 これは余談だが、 その生まれた時に、 天上天下唯我独尊とか 言ってやりたかった。が、 クチが上手く動かなくてな、 とりあえず泣いておいた。 「うん、 お茶しよう。帰ったらすぐ ソッチ向かうね」 ところで神様さんよ、 記憶削除が出来てないのは どうかと思いますぞ? 輪廻の輪をくぐらせる前に、 しっかり確認をしなかったん ですかい? 別に恨んだりしませんけど。 「ではおまちしております」
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