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「なっ……っ」
ぐぐっと言葉を詰まらせると吉沢は可笑しそうに吹き出して肩を揺らした。
蕎麦も食べ終わってもうすぐ12時を回る頃、除夜の鐘を聞きに行ったおじさん達にはついて行かずに二人で家にいた。
「あ~…さよなら2008年…」
「何言ってんだよ」
「別に」
時計を見ながら呟くと、吉沢は私の真横に方膝立てて座って小さく笑った。あと数秒で新年。
今年は色々あったなぁなんて考えてみる。
ホントは高校生になるだけで、そんなに変わらない日常を送るはずだったのに…
まぁ、悪い年ではなかったけど。
そんな事を考えている間に遠くから除夜の鐘が聞こえて来た。
「あ、先輩あけましておめでとうございま……」
「す」は急にキスをしてきた吉沢の唇によって阻まれた。
キョトンとしていると少し唇を離した吉沢が眉を寄せて呆れたように小さくため息を吐いた。
「お前、そこは大人しく目ぇ閉じとけよ」
「せっ先輩がいきなりするからじゃん!」
「はいはい…んじゃお望み通り急にはしねえから、目ぇ閉じろよ。」
「へ!?」
「今からもっかいするから目ぇ閉じろっつってんの」
「そんなの言われたら余計恥ずかしいじゃん!」
「もういいから黙っとけよ」
「!」
半ば強引に唇を合わせてくる吉沢、恥ずかしくてギュッと目を閉じると吉沢の唇が持ち上がって笑ったのが分かった。
吉沢は私の腰に腕を回すと引き寄せるように抱き締めて、私の緊張を解すように何度も啄むようにキスを落としてくる。
おずおずと吉沢の服を軽く握ると一瞬腰に回った腕に力が入った…まるで逃がさないように。
「センパ…んっ!」
何かと問いかけようとした唇は再び吉沢に塞がれて、あろうことかスルリと柔らかい物体が入り込んできた。
驚いて舌を引っ込めても、吉沢は私の舌を難なく絡めとって軽く吸う。
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