正月パニック

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「ふっ……」 パニックを起こした頭は正常に働いてくれず、服を掴んだ手をさらに強く握るしか出来なかった。 それをどう捉えているのか、吉沢は更に遠慮無く人の口の中を蹂躙して、時折ビクつく私の背中をあやすように撫でてくる。 霞んだ頭で、もしかしたらこのままやってしまうんだろうかと考えて死にそうなほど恥ずかしくなったけど…嫌とかではなくて… どれくらい経ったのか分からないけど、最後に一度軽くキスをして吉沢は唇を離した。 恥ずかしさで体が熱いし、唇がジンジンと痺れて変な感じがする…吉沢の顔をチラリと盗み見たら酷く満足そうな顔をして笑っていてものすごく居心地が悪い。 死にそうなほど恥ずかしい思いしてんのに、何でそんな幸せそうに笑うのよ…ちょっとキュンとしたじゃない… 「香緒…」 吉沢は私を胸に抱き込むと私の肩に額を乗せて小さく私を呼ぶ。 何だか熱の籠った声にどう返していいのか分からずに「何?」と消え入りそうな声で返事をすると、吉沢が私の首筋に唇を寄せた。 ビクリと肩を震わせると、やっぱりさっきみたいに宥めるように背中を撫でられる。 逃げる気が起きない…きっとさっきのキスで頭のネジが飛んでしまったに違いない。それに、触れてくる唇や手が優しくて心地よくて、逃げられる筈がない… その場にゆっくりと倒されて、吉沢の唇が頬や首に何度も落とされる。 「ぁ…センパイ…」 スルリと服の中に入ってきた手に不安を覚えて吉沢の顔を見れば、吉沢は優しく微笑んで大丈夫だと言うように再び唇を合わせてくる。 そのまま舌を忍び込ませた吉沢は、優しい手つきでそのまま手を滑らせて胸に到達しようとする時に… 「ただいまー!!」 「「!!」」 下の階から美香ちゃんの元気な声が聞こえて二人同時に固まった。
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