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《佐野》は暫く人だかりを掻き分けながら歩くと、一軒の喫茶店内に入った。
『いらっしゃいませ。』
まだ20代前半だろう若い女性が、扉を開けて直ぐに元気な声で挨拶をしてきた。
1人という事を伝え、アイスコーヒーを頼むと、窓際の席に座り煙草に火を付け、一息付く。
事務所とは違い、寒いぐらいにエアコンが効いていて《佐野》は少し身震いした。
少しするとアイスコーヒーがきて、《佐野》はブラックでアイスコーヒーを飲みながら窓の外の景色を眺めていた。
平日の昼間だというのに大勢の人が街を埋め尽くしている。
見ると高校生まで歩いている。
(まだ学校終わってないだろ?
ったく………。
今時の学生は…。)
《佐野》は、煙草を消し、コーヒーを一気に飲み干すと会計を済ませ、外へと出た。
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