1415人が本棚に入れています
本棚に追加
『大丈夫。逃げ切ったみたいだから。』
《紗英》を安心させようと《朋香》は余り詳しい事は話さずにいた。
それに『大丈夫』と言ったのは事実だから。
《朋香》は一旦、視界から消えた男が、道路上に倒れているのをバックミラーから見ていたのだ。
『あれ……。
何だったの?』
『多分、何かの病に侵された人だと思うんだけど……。』
《朋香》は、さっきの男の顔を思い出し、寒気がした。
あんな症状の病気は初めて見たからだ。
(あそこまで症状が悪化してるのに、何で病院に行かないのかしら……?
そう言えば………。
『オレは何も知らなかったのに』って、言ってた。
どういう意味かしら?
何も知らずに病気を移された?
注射か何かで?)
最初のコメントを投稿しよう!