ほんの3時間

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   早速、遥奈は、  男に差し出された衣装に  着替えた。    エアポートの制服は、  添乗員風。  帽子まである  本格的なコスプレだった。      添乗員に変身した遥奈は、  インスタント写真を撮られる。  入り口に飾る写真だ。  客は、その写真を見て、  女の子を選ぶのだ。      写真を撮られながら、  遥奈の源氏名を  『あや』に決めた。        『あや』は、  待合室に通された。    女の子が2人座っていた。      「今日から働く事になった、   あやちゃんです」      男は、軽快に紹介する。    簡単な挨拶を済ませて、  『あや』は待合室の席に座る。    週刊誌が数冊と灰皿。  殺風景な待合室だった。    女の子達は、  無言で雑誌を読みながら  煙草をふかす。    居心地がいい場所では  なかった。        しばらくすると、  男が『あや』を呼びに来た。      「3番シートのお客様、   あやちゃん   写真指名入ったから   よろしくね」      『あや』初仕事だ。    
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