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『あや』は、3番シートに、
おしぼりを数本持って
向かった。
それほどの緊張は、なかった。
写真指名の客だ。
席に着いて飲み物を差し出す。
客は、20代半ばの
清潔感ある青年だった。
女と話すのが苦手そうに、
たどたどしく話す。
「今日…初めてなんだってね…
入り口で聞いたよ」
客は、
遥奈がそれまで抱いていた、
風俗に通う男のイメージとは
少し違った。
ごく普通の男すぎた。
風俗に行く人を
もっと、おたくっぽい人だと
思っていた。
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