ほんの3時間

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   遥奈は、  駅から延びる  ありきたりな商店街の  外れにある  ボロアパートに住んでいた。    裸電球が  四畳半の部屋の真ん中から、  黄色味を帯びた光で、  化粧をしている遥奈を、  どんより照らす。    布団と、  小さな電気ストーブと、  洋服が数枚入れられた  段ボール箱があるだけの  殺風景な部屋─。      遥奈は  まっ赤なコートを着て  駅へ向かった。        面接は駅の近くの店だ。  駅前で、  さっきの調子のいい男と  待ち合わせていた。         フロアレディって   何するんだろ?      
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