ほんの3時間

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   薄暗い店内に入ると、  笑顔の女の子の写真が  数枚並んでいた。    それを横目で見ながら、  男の後を歩く。  やかましい程の音量で  テンポのいい音楽が  流れていた。      遥奈は、  ひとつのボックス席に  案内された。    2人がゆったり座れる程度の  低めのソファーに腰を下ろす。      間もなく、さっきの男が、  オレンジジュースを持って  遥奈に差し出しながら、  隣に座った。      「仕事の内容はね…」      男は慣れた口調で  説明を始めた。      この店は、  所謂ピンクサロンだ。    その内容を、  遥奈は  想像してなかった訳ではない。  だから、  それ程の驚きは、なかった。    
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