ほんの3時間

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    とりあえず、   3日くらい働いて、   すぐ辞めよう      もちろん  続けるつもりではない。  きっと、この世界に  足を踏み入れる誰もが、  そう自分に言い聞かせて、  第一歩を踏み出すであろう。      遥奈は、その一歩を、  『3日だけ』と言う  甘えた気持ちで踏み出した。    明日吸う煙草も  買えないのだから。        「じゃあ、   今日から働いて行く?」      男は、わかっていた。  風俗に面接に来る女は、  すでに金に困っているに  決まっている。      「この後、用事ないなら、   働いて行きなよ」      少し間を開けて遥奈は、  コクンと頷いた。        遥奈は、  今日から働く事となった。    今日からも明日からも、  『風俗嬢』と言う汚点に  変わりは、ない。  
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