序章:悲しい記憶

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…夢を見ていた…… 幼い頃の…悲しい夢… 何がいけなかったのだろう? 何処で、この平和で平凡な日々が狂ってしまったのだろう? 「母さん!?死んじゃ嫌だ!」 幼き頃の俺は、ただ泣き叫ぶだけで… 「アル…貴方だけは…なんとしても逃がさなきゃ……」 ただ現実から逃げてるだけで… 何も出来ない存在だった…… 「アル…強く生きなさい…貴方がこの一族の…最後の一人…」 女性がそう言うと、幼き頃の俺の回りに魔法陣が出現する 「母さん!?何をするの!?」 「こうなってしまったのも…全部、私のせい…」 俺の意見は全く聞かず、女性…俺の母さんは喋り続ける 「私からの、最後のお願い…」 「最後なんて言うなよ!」 「絶対に復讐なんか考えてはいけない…いいわね?」 そこまで言うと、二つの人影が現れた 「アル君…」 「アル……」 現れたのは、二人の男… 「おじさん達…どうして!?どうしてこんな事するの!?戦いは止めたんじゃなかったの!?」 …もう、見たくない…… こんな夢…早く終わってくれ… 「アル…お別れね…」 キィィイン… 母さんがそう言うと、俺の回りにあった魔法陣が金色に光り出す 「母さん、ちょっと待って!」 「さようなら…」 「嫌だぁぁぁぁぁぁあ!」 その言葉を最後に、俺は母さんの転移魔法により、何処かに飛ばされた…… ――――――――――――――― 「ぅ…ん……」 次に目が覚めたのは、何処かの森の中だった 「あれ僕…そうだ!母さんは!?」 そう言って辺りを見渡すが、あるのは草や木…それだけだった そして、その時の俺の脳裏に浮かんだのは… 傷だらけで血に染まった母さんだった… 「う……うぁぁぁぁぁぁぁあ!」 絶叫、悲鳴、雄叫び…どれとも言えない声が森に響き渡る… 「どうして…母さんが……」 そして… 「そうか…アイツらがいけないんだ…全部、アイツらが…」 俺は… 「…ろ…してやる」 この時から… 「殺してやる…!」 復讐をしてやると決めた……
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