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間違いない…
あの二人だ…!
何年も捜してきた…一族の仇!
「久しぶりだな…神王…魔王!」
「……?」
「君は…どこかで会ったこと…」
アルベルの言葉を聞いても、あまり身に覚えのない様子の二人
やはり…覚えていなかったか…
所詮、俺らの一族はどうでもよかったということか……
「アル!」
少し遅れてアリューゼが部屋に入って来る
その瞬間、
「「なっ!?」」
神王と魔王の表情が変わった
驚愕、懺悔、恐怖が混ざったような表情だった
「まさか…アル…?」
「アル君なのかい…!?」
「…久しぶりだな」
名前が出てようやく思い出したか
やはり俺はその程度の存在でしかなかったか…
「まさか…生きていたのかい?」
細身で銀髪の男、魔王ルシファーが驚愕の声を漏らす
「そんなに残念か?…まぁ無理はないか。完全に滅ぼしたと思っていた一族が、今こうして生きてるんだからな」
「違う!アル君それは――」
「違う?何が違うっていうんだ?随分変わったな…魔王ルシファーともあろう者が言い訳か?」
アルベルの言葉には殺意が混ざっている
「アル!あの件は確かに俺達が悪かった!それは認める…だが――」
一方的に言われているルシファーをガッチリとした体つきをした神王、ラファエルがフォローしようとするが…
「貴様も言い訳か?神王ラファエル…そんなの、聞きたくもない!」
アルベルが怒鳴った瞬間、周りの時間が止まったかのように周りが静まる…
「よくもぬけぬけと…謝ればそれで終わると思っているのか…?許されると思っているのかッ!?」
アルベルの言葉に、その場に居た誰もが何も言わなかった
いや、言えなかった…
「俺達が何をした!平和に過ごしていただけなのに…争いなんか、望んでいなかった!全部お前達のせいだ…無意味な戦争なんかに関係のない者を巻き込んだお前達が!」
アルベルは、ルシファーとラファエルに明らかな殺意を向けていた
「…本当なら今ここでお前達を殺してやりたいが…関係ない者達を巻き込む訳にはいかないから何もしない…だが」
言いながらアルベルは踵を返し
「次会う時は容赦しない…!」
そう言うと、いつの間にかアルベルは全員の前から姿を消していた…
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