絶対零度の女の子

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「いらない」 しかし彼女の返答は“いらない”だ 流石にここまで頑なに拒否されるとイラッとする 「あのな、そんなに拒否するからお前は独りぼっちなんだと思うぞ」 俺がそう言った時、彼女の表情が一瞬だけだったが、とても悲しそうになった なんだ?今の表情… 「………余計なお世話、私に関わらないで」 一条はすぐに無表情になり、俺に背中を向ける なんてムカつく女だ ……だけどいくらこんな無愛想なヤツでも、夜に女の子を1人で帰すのは危ないし、俺的にも後味が悪い それにあんなに悲しそうな顔を見せられたら背徳感がでてくるしな 「そうかよ、じゃあ勝手にお前ん家までついていく」 俺は一条の後ろをついていく そんな俺に気付いたのか一条は後ろを振り向かず言う 「ついてこないで」 「嫌だ」 「ついてこないで」 「嫌だ」 今の俺達を端から見たらかなり滑稽だろう 一条は俺を見て小さなため息を吐いた 「……勝手にすれば」 一条は振り返らずに言った .
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