絶対零度の女の子

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「じゃ、いってくる。入学式は別に来なくてもいいから」 俺は母親にそう言い残して、我が家である小さな一戸建てを後にする 桜が舞い散り、新入生や新社会人が大量に誕生する春 この俺、高松桜花(たかまつおうか)もこの春に高校生になった でも特に期待も緊張はしていない。同じ中学校出身の奴らが結構いるしな だから今日が楽しみで寝れない…なんて事もなく、たっぷり睡眠を取った俺は真新しいブレザーを着てワックスでツンツンにセットした髪を触りながら学校に向け歩いていく 俺ん家から学校はかなり近い、だから電車に乗ったりバスに乗ったりしなくていい。まぁ、近いから選んだワケなんだが 5分も歩くと学校の正門が見えて来た “私立青明学院高等学校”それがこの学校の名前だ 私立のクセに信じられんぐらいにボロい見た目。偏差値だって中の中ってトコだろう 俺は3年間ここで文化祭だの体育祭だのをして卒業する まぁ高校生活は良くも悪くも平凡な物になるだろう 俺はそう考えていた… ……だから、俺の高校生活は“彼女”との出会いで一変する事になるとは…想像もしていなかった この時は、な… .
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