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「「 きゃあぁ~~~!!! 」」
突然上から、地面が揺れるほどの歓声。もとい、黄色い声が振ってきた。
「 な、何!? 」
私は思わずドアノブから手を離してしまった。
再びドアノブを掴もうと手を伸ばすが、どうにも躊躇われる。
さっきの黄色い声が近づいているようなのだ。この扉の前に…
はっきり言って嫌な予感がする。開けたくない。
というより、ここから早く遠ざかりたい。
けれども、ここを通らなければ職員室へは行かれないわけで…。
( そうだ!どっかに隠れれば! )と思ったときには少し遅かったようだ。
扉のノブがゆっくりと回り、開かれていったのだった。
中から現れたのは、女子を後ろに従えた2人の男子で、
黒目、黒髪のどこか女性的というか中性的な顔立ちをした、一見大人しげな彼と、
明るめの茶髪に眺めの襟足。髪と同様に茶色い瞳は切れ長。
タイプで言えばクール系(とでも言うのだろうか?)の彼。
どちらも、振りまく笑顔は『 優しそう 』であり、美形と言われる部類なのは間違いない。後ろでキャーキャー言いながら、ついて歩いている女の子達にとってはまさしくそうなのだろう。
だが、恋愛感情なんて生まれてからこの方、一度も持ったことのない私から見ると、どうも胡散臭い。
というか、不適な黒い笑みにしか見えない。
彼らが立ち止まると、すかさず回りの女子達が取り囲む。
おかげで、私も彼らと共に輪の中心になってしまった。
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