Invited Girl

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「 質問はないかしら? 」  理事長が尋ねる。  特にはない、私は頷いた。   「 なら、あなたが入る僚を教えるわ。  あなたが入るのは女子寮。菊、百合、桜と三つある中の桜僚、503号室よ。  寮までの地図は、その手帳に入ってるから。  あなたの荷物もそろそろ届いてるでしょう。 」    では、ごきげんよう。  そう言われて、私は理事長室を後にした。    手帳を開いて寮までの道を確認する。  私が入る寮は校舎に近いみたいだ。    寮へと向かう間、他にどんな機能があるのか確認してみる。    学園の概要、校章の由来、校則、日課標、アドレス帳など、普通の学生手帳にあるものは全部入っているようだ。    珍しいのは、先程使った校内地図、校内掲示板、学内メール、お便り機能だろうか?    それぞれチェックしてみると、掲示板には入学式の日時について書かれている。  学内メールは学年、クラス、出席番号が分かれば、メールが送れるみたい。    お便りには、『初めまして』というタイトルの、担任からのメッセージがあった。  他にも『生徒会より』と言うメッセージがあったが、ろくでもなさそうな気がしたので、無視しておく。    と、どうやら寮に着いたみたいだ。だけど…   「 困ったなぁ、どうやって入るんだろう? 」    鍵が掛かっているらしく、押しても引いてもドアが開かないのだ。   「 しょうがない、誰か来るまで待つしかないか 」    私はドアの前にしゃがみ込んだ。風がサヤサヤと髪をなぜてゆく。  バカバカしいことばかりおこるけど、唯一の慰めは今日が晴れている事だ。  暖かくて心地良い。    もし、雨だったりしたら最悪だっただろうな、と思った。
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