寮生活

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「 お馬鹿をお馬鹿と言って何が悪いのよ。  あなたは家柄だけでこの学園に入って来たようなものでしょ? 」    ため息混じりに、やれやれと話す水瀬さんに、少女は彼女の隣に座ると抗議の声を上げた。   「 あ、ひどっ!  それは藍ちゃんだって同じじゃない! 」   「 私は頭もい・い・の。  少なくとも、中学ではいつも校内一だったわ。あなたも知っているでしょう?  私に毎度毎度、泣き付いて来たのはどなただったかしらね 」   「 う゛っ…… 」    ガクリとうなだれる少女。    「 ………藍ちゃんのいじわる…… 」    一方、水瀬さんはメガネを人差し指でクイッと上げ、勝ち誇った顔をしている。   「 えっと… 」    どうしていいか分からない私は、二人を交互に見つめた。   「 あ、いつもの事だから、あれ、ほっといて 」    あれ、と水瀬さんは少女を指差した。   「 あぁ! またそんな事言う!! 」    少女は勢い良くガバッと顔を上げた。そこでハタと私と目が合った。   「 あ…  自己紹介がまだだったね。わたしは福原 優奈(ふくはら ゆうな)縮めてユナって呼んでね。カグヤちゃん 」   「 は…い 」    気圧されたのと、いきなり名前で呼ばれたのとで、思わず敬語で帰すと、   「 友達に敬語禁止! 」    すかさずユナちゃんの指摘が入る。が、   「 とも…だち? 」    何ともいきなりだが、ユナちゃんはうんうん頷いている。   「 カグヤちゃんInvited Girlだから、この学校に知った人いないでしょ?  だから、わたしカグヤちゃんの友達になって上げる! 」   「 ユナちゃん… 」    強引な話ではあるが、とても嬉しい言葉だ。確かにこっちに知った人は誰もいない。  一人でも何とかやっていこうとは思っていたが、不安は不安だったので、私はホッとした。と、   「 だーい好きな晃様と衛様とお近づきになれるかもしれないしね 」    意地悪げな水瀬さんの言葉に、あわてふためくユナちゃん。   「 それいっちゃダメぇ! さっき言った事も本当だからね、カグヤちゃん! 」
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