寮生活

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 取り繕うと必死だが…   「 それは今の事も本当って事かな? 」    意地悪く返すと、再びガクリとうなだれてしまった。   「 だーって、みんな噂してるんだもん。 晃様と衛様はエイプリルガールを候補に加えるおつもりだって… 」    エイプリルガールは4月にやってきた私の事だろうが…   「 え゛」    私は固まった。   「 あの二人、諦めてないの?  グーで殴ったのに… 」    その言葉に、一口コーヒーを啜った水瀬さんが吹いた。   「 グーで殴ったの!? 」   「 キスされそうになったからビックリして、おもいっきり 」    コクリと肯定した私に、水瀬さんは唖然としていたが、立ち上がると私の横に座り、ポンポンと私の肩を叩いた。   「 私、あんたの事気に入ったわ。困ったことあったらどんどん頼って。  あとカグヤって呼んで良いかしら? 」   「 うん 」   「 私のことは藍でいいから 」   「 分かった。じゃあ、藍ちゃん… 」    さすがに呼び捨てには出来なくて、ちゃん付けで名前を呼んだ。  藍ちゃんはそれににっこりと微笑むと、   「 さ、そろそろカグヤの部屋へ行きましょうか?  荷物整理、手伝うわよ 」    と腕まくりして見せた。
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