26人が本棚に入れています
本棚に追加
取り繕うと必死だが…
「 それは今の事も本当って事かな? 」
意地悪く返すと、再びガクリとうなだれてしまった。
「 だーって、みんな噂してるんだもん。
晃様と衛様はエイプリルガールを候補に加えるおつもりだって… 」
エイプリルガールは4月にやってきた私の事だろうが…
「 え゛」
私は固まった。
「 あの二人、諦めてないの?
グーで殴ったのに… 」
その言葉に、一口コーヒーを啜った水瀬さんが吹いた。
「 グーで殴ったの!? 」
「 キスされそうになったからビックリして、おもいっきり 」
コクリと肯定した私に、水瀬さんは唖然としていたが、立ち上がると私の横に座り、ポンポンと私の肩を叩いた。
「 私、あんたの事気に入ったわ。困ったことあったらどんどん頼って。
あとカグヤって呼んで良いかしら? 」
「 うん 」
「 私のことは藍でいいから 」
「 分かった。じゃあ、藍ちゃん… 」
さすがに呼び捨てには出来なくて、ちゃん付けで名前を呼んだ。
藍ちゃんはそれににっこりと微笑むと、
「 さ、そろそろカグヤの部屋へ行きましょうか?
荷物整理、手伝うわよ 」
と腕まくりして見せた。
最初のコメントを投稿しよう!