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「 成る程、それであんな所で寝ていたのね 」
「 うん 」
私は頷くと、手にした本をどこにしまおうかしばし悩む。少しの間の後、窓際に置く事に決めた。
藍ちゃんは食器棚にお皿をしまってくれている。
ただ今私の部屋にて荷物の整理中。ユナちゃんも手伝ってくれてはいるのだが、基本ダンボールの中を覗くのに一生懸命だ。
私の部屋の内装は壁が淡いクリーム色で、家具は私に合わせてなのか、普段家で使っていたものとほとんど変わらない。
ユナちゃんの部屋のような所で三年間過ごさないといけないのかと思っていたので、これには安心した。
それでもさすが金持ち学校、と言えるのは、部屋の広さがマンション並な所だろう。いや、マンションよりも広いかもしれない。台所もきちんとついていて、ガスコンロではなく電気キッチンだし、高校生には贅沢だと思うが、素直に凄いと思う。
「 寮に入るときは、生徒手帳をドアの横にあるパネルにかざせばいいのよ 」
藍ちゃんの言葉に私は首を傾げた。
「 パネル…? 」
そんなものあったっけ?あったら気づきそうなものだけど…
「 後で教えてあげるわ。
防犯のために、とかで、分かりにくい所にあるのよ 」
使う側としてはいい迷惑よね。と言いながら、藍ちゃんは皿を全部おさめ終え、今度はコップに取り掛かる。
私は洋服をしまうため、服の入ったダンボールを抱えて寝室へと運び、タンスの前に下ろした。
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