寮生活

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 膝上と腿の付け根近くとでは15センチの物差し一個分違う。  同じくらい、というにはちょっと無理がある。   「 ……ミニスカートならどれでも同じだよ藍ちゃん♪ 」    ユナちゃんはどうしても認めたくないらしい。それにトドメを刺すように藍ちゃんが話しを私に振ってきた。   「 ……カグヤ、あれ、カグヤの学校では校則違反にならない? 」   「 ……なるね 」    私が苦笑いしながら答えると   「 ……… 」    やっぱりそれがトドメになったようだ。ユナちゃんががっくりとうな垂れている。  いくら校則が緩いからって、さすがにそこまでのミニスカは認められていない。現に、見咎められて職員室に引っ張って行かれた子は何人かいたしね。   「 さて、落ち込んでいるお馬鹿はほっといて、さっさと荷物整理の続きやりましょ? 」    藍ちゃんはスッキリした顔でそう言うと、微笑んだ。   「 うん…わかった 」     私はユナちゃんをちらっと見たが、片付けの続きに取り掛かることにした。    藍ちゃんの言葉にユナちゃんが突っかかって、藍ちゃんがそれを冷静に返す、そしてユナちゃんが落ち込む。  多分、これが二人の常日頃のやりとりなんだろう。   なんとなく、幼馴染というよりも姉妹みたいだな。と私は思った。
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