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ピンポーン
朝一番。部屋のドアチャイムが鳴る。
「 ん~誰~? 」
半覚醒した私は、モゾモゾと寝返りをうった。だけど眠くて、起きて出てみようっていう気になれない。
私は訪問者を無視して、再び眠りに引きずり込まれていった。と…
ピンポン、ピンポン、ピンポン、
さっきよりも煩く鳴るチャイムの音。私の意識は再び浮上する。
訪問者は諦める気がないようだ。
私が出るまで鳴らすのを止めないつもりなのか、深く布団に潜っても、チャイムの音が耳に飛び込んで来る。
「 …うるさい…… 」
私は布団から顔を出した。仕方が無いので、しぶしぶ布団からはい出てドアホンを取る。
「 はい… 」
ボーッとした声で出ると、
「 カグヤちゃーん!一緒に朝ごはん食べに行こう♪ 」
元気な明るい声が響く。思わずドアホンを耳から話した。え~と誰だっけ?眠くて働かない私の思考回路が一瞬停止する。
「 あ、ユナちゃん? 」
頭をフル回転させて、なんとか名前を思い出した。
「 うん。わたし~♪
カグヤちゃん朝ご飯一緒に食べにいこう? 」
再度のお誘いに、私は慌てて時計を見た。その時刻にギョッとして目が覚める。
寮の朝ご飯は6時半から8時までの自由な時間。とはいえ、作る側の都合で注文出来るのは、7時半までだ。
そしてただ今、7時10分。ここは五階なので、早く行かないとヤバイ。
「うん。ちょっと待ってね 」
私は返事をするとドアホンを下ろした。
慌てて寝室に入り、服を着替え、部屋を飛び出る。
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