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「 お待たせ、ユナちゃん 」
「 じゃ、行こう♪ 」
私とユナちゃんが歩き出そうとすると、ガチャッと扉が開く音がした。
振り向くと、私の隣の部屋から藍ちゃんが出てくる。
そう、嬉しい偶然で、藍ちゃんは私の部屋の隣だったのだ。
「 あら。ユナ、カグヤとどこへ行くの? 」
「 食堂~。朝ご飯一緒に食べるんだ♪ 」
「 ふーん…て、あなたその為にわざわざ5階まで来たの? 」
私はその言葉にハッとした。そういえばそうだ、ユナちゃんは1階に部屋がある。5階まで上がって、また1階の食堂まで降りるなんて、かなりの労力だ。
「 え?そうだよ?
あ、藍ちゃんも誘って欲しかった?
でも、藍ちゃんはもう朝ご飯食べてるでしょ? 」
笑いながら言うユナちゃん。でも、微妙に目が笑っていない気がするのは、私の気のせい…なのかな?
「 誰が、いつ、誘って欲しいと言ったのかしら?
とっくに食べ終わってるわよ、当たり前でしょう?
っとに…カグヤを誘うなら、寮用の内線電話で誘っても良かったんじゃないの? 」
その言葉に、目を真ん丸にして、手をポンッと打つユナちゃん。
「 気付かなかった~ 」
「 …~~……… 」
藍ちゃんは返す言葉が無いのか、こめかみを揉んでいる。
「 ん~でも、多分カグヤちゃん電話鳴らしても気が付かなかったとは、思うけどね 」
それを聞いた藍ちゃんは、ギョッとして私を見る。
「 そういえばカグヤ、あなた朝ご飯まだなの!? 」
「 う、うん。 」
藍ちゃんは慌てて携帯を開くとすぐ閉じた。
「 カグヤ急がないと、後10分もないわよ!? 」
そうだった!
私達は急いでエレベーターに向かって走った。
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