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バタバタと、エレベーターの前へやって来た私達。 エレベーターは今1階で止まっているみたいだ。
私はそのまま、エレベーターのボタンに手を伸ばした。だけど、その手を藍ちゃんに捕まれ、エレベーター脇の階段に引っ張り込まれる。
「 あれじゃぁ、乗っても間に合うか、間に合わないか分からないわ! 」
急な方向転換には驚いたけど、その言葉に私は納得した。
エレベーターが上がってくるのを待つだけですむなら、(それでもかなりのタイムロスだけど)なんとか間に合う。
でももし、誰かが途中の階で乗り込んだら?それは、エレベーターが5階まで上がってくる時に限らず、乗り込んだ後にも起こりうる事だ。
階段は利用する人がいないから、かえってエレベーターよりも早く着く可能性が高い。
…そのかわり疲れるけどね……
階段を駆け降りてバテ気味でなんとか食堂前にたどり着いた。腕時計を確認すれば、ただ今7時25分なんとかセーフだ。
朝ご飯は食べそびれずにすみそうだ。
「 良かったぁ、間に合ったね、ユナちゃん……あれ? 」
後ろを振り向くと、ユナちゃんの姿が無い。
「 私達の階段を下りる速度にについて来れなかったのね…
カグヤ、先入って注文しておいで、ユナは私が待っとくから 」
「 う…ん。じゃあユナちゃんの分も注文しとくね。藍ちゃんは、何か頼む? 」
「 そうね、コーヒーを頼むわ、ブラックね。
ほら、急いで 」
「 じゃあ、注文してくる! 」
後3分!私は急いで中に入った。
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