26人が本棚に入れています
本棚に追加
カグヤが走って食堂に入っていく後ろ姿を私は見送った。時間が無いのに、私の事を気遣うなんて…。
ちょっとだけ罪悪感が芽生える。私はユナが来るのを待つ為に残ったわけでは無いから…
「 ………
ユナ、出ておいで 」
私が声を掛けると、ユナが申し訳なさそうな顔で階段の陰から姿を表した。彼女もカグヤに悪いと思っているのだろう。
そう、私はユナを待つ為に残ったのではなく、話す為に残ったのだ。
「 じゃ、朝ご飯を私より先に食べ終わっていた人が、また朝ご飯を食べる訳を話してもらいましょうか? 」
私はユナに問い掛けた。
ユナは普段、神楽坂先輩や深貝先輩を追っかけるために、私よりも早く朝食を食べ終わっていて、こんな時間に寮にいるなんてまずない。
昼頃そんなユナを連れ戻すのが、私の役目なんだけど、話しが脱線するからそれは置いといて。
「 あのね、カグヤちゃんの事なんだけど… 」
ユナは泣きそうな、心配そうな顔で話し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!