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          「 ……そう、菊寮と百合寮のお姉様達が…  で、この桜寮はどんな感じ? 」   「 まだ晃様と衛先輩の顔をよく知らない人の方が多いから、今のところは大丈夫そうだよ。だけどそれも… 」   「 そうね 」    私は生徒手帳の『生徒会より』と書かれたお便りを開いた。       ―― ――――――       件名:生徒会より    新入生のみなさん、誠華学園へようこそ。寮の生活には慣れられたでしょうか?  初めて親元を離れられ、不安に感じられている方も多いと思います。が、そんな皆さまの為に、生徒会は歓迎会を開催することを決定しました。  つきましては、入学式の日の夕方6時に体育館へお越しください。    服装は普段着でかまいません。    生徒会一同心よりお待ちしております。     ――――――  ―――     「 生徒会の歓迎会よりも先に、桜寮メンバーの顔合わせを行った方がよさそうね 」    でないと、カグヤは菊、百合寮のお姉様方だけでなく、桜寮のメンバー全員をも敵に回す事になる。  恋は盲目と言われるほど、恋する乙女は時に恐ろしいものだからね。    それでも、そんな事態を完全に防げる訳ではないけれど、何もしないよりは遥かにマシだ。   「 教えてくれてありがとう、ユナ。  対策はちゃんと練っておくから 」   「 うん、お願いね。藍ちゃん。  わたしバカだから、何にも出来ないけど 」   「 何言ってるのよ、そんなことないわ 」    私はユナの頭をポンポンと叩いた。   「 さ、カグヤが待っているわ、行きましょう 」   「 うん♪ 」
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