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「さてと、今から行くのは西購買部よ」
「西?」
「えぇ、購買部は東と西、中央にひとつづつあるの。
この学園は広いから利便性のためにね。
とはいっても、まったく一緒じゃ面白くないでしょ?
せっかく3つあるんだし。
だから、それぞれの購買の品揃えに特色があるのよ」
「特色?」
購買に特色つける必要なんてあるんだろうか。
オウム返しに聞く私に藍ちゃんが答えてくれる。
「まず、全ての購買に共通しているのは、勉強に必要なもの…文房具は、最低限揃えてあるわ。
で、今からいく西の購買は、カグヤみたいに寮で家事をこなす人とか向けね。
寮の部屋にキッチンがあったでしょ?
この子みたいに料理がまったくダメって子もいるけど、料理が好きな人や、お菓子作りが好きな人はいるからね。」
藍ちゃんは「この子」といいながらユナちゃんをさした。ユナちゃんが「ムッ」と軽く眉間にシワを寄せる。
「よく使われる食材は揃えてあるの。
後、寮からもっとも近い位置にあるから、洗髪剤や歯磨き粉などなども、メーカーにこだわりさえしなければ買うことができるわ。
まぁ、お嬢様というよりはInvited girl …カグヤみたいに学園に選ばれて入学した人達向けかしらね。」
それを無視して藍ちゃんは続けた。
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