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朝陽の差し込む扉を開けベランダに立ち、私を起こした煩いざわめき。アパートの下を起こされた苛立ちで睨み付けた。
ざわめくビル街の中、朝から出来た大きな人混み。そこにはパトカーだけで無くテレビや雑誌の記者も溢れ、その暑さが伝わり気持ち悪く成る程で、更に苛立ちが増す。
訳解らない私は不愉快な思いで部屋に入り、扉は開けた状態のまま、『外に響け!』と、言わんばかりに、コンポにMDを押し込みボリューム全開に。
『耳が痛い!――』少しだけボリュームを下げて再びベランダに出る。そして、もう一度外の人混みを見下ろし、睨むのは止めて覗き込んだ。
しかし皆無反応で誰一人振り向かない。あれだけ人が居ればコンポのボリュームをいくら上げても聞こえないのも無理が無い。
それでも苛立ちを抑えながら諦めて大きな溜め息を付く。部屋に入ろうと、人混みを又も睨み付けて扉に手を掛け最後にもぅ一度だけ振り向いて見た。
するとそんな中、真っ白なスーツに身を固めた男が一人だけ、こっちを見上げて手招きをして居る姿が見える。
白のスーツは目立ち過ぎて直ぐに気付いた。
不振に思いながらも、苛立つ私は白いスーツの男に反応する事も無く、暫く見ていた。
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