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辛く切なく寂しくて、どぅしようも無い程に苦しい。有木への想いは止まらない。
悔しさと、後悔の嵐に襲われながら、自分に情け無さ迄感じてしまった。それでも二度と取り戻せない二人の時間を返して欲しい!
頭の中は、沢山の有木への感情しか浮かばない。
そして今、目に写る物。それは遠目に見える、暑い陽射しのビルの下。出来てしまった人混み一つ。大きく成った人混みに、近付く事さえ恐怖心を抱いて居た。
そこに出来た、有木の作った真っ赤な暑い炎の様な大きな人混みが、不安な私の足を止めた。
「おい!今日の予定は?‥‥今すぐ行って有木と向き合う事が出来る!そんな余裕有るのか?」
その時更に、有木の大きな存在に気付かされた。
今日から始まる就職デビュー。本来ならば確実に此処に居ない自分の姿。そんな事等今の私にはどうでも良い!関係無い。
と、大粒の涙が有木と向き合う前から少しずつ、絶え間なく溢れ出す。数秒前迄ギラギラと、光り輝いて居た暑いアスファルトに膝を落とし、一気に座り込んでしまった。
私の零した涙の雫は眩しいアスファルトに小さな水溜まりを作ってしまった。
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