午前7時、藤木会本部

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油責め デブヤクザ「同胞を殺した者に与える罰か。300度近くの高温の油を注ぎ、苦痛の地獄を与えるっつう」 デブヤクザ「カタキながらこればかりは慈悲深くなっちまう。おっかねぇな」 デブヤクザは青ざめた表情で鍋を見る。 佐々木「石川の野郎への手向けだ」 佐々木「地獄を見せてやる」 佐々木はその鍋を手に持ち、ゆっくりと男性に頭に注ぎ始める。 事務所内にいたほぼ全員が目を逸らす。 が 音がしない。 皮膚の焼ける音が 絶叫が 匂いすらもしない。 佐々木「……?……?」 気がつけば鍋内の油は全てなくなっていた。 しかし 男性は先ほど同じようにこちらを笑いながら見ている。 地面に油の水滴すらない。 「ふひ……何も効かない」 「私に触れる者は全て無へ消え去る」 「その鍋の中にあった油はもうこの世には存在しない」 「どこへ行くのかもわからない。ただ、この世から消える」 男性を覆っていた紐は突然消滅し、ゆっくりと立ち上がる。 「もう終わりだ。君達を過信していた私が馬鹿だったとしか言い様がない」 「だが楽しかったよ。自分が『人とは違う』事による優越感をひしひしと感じられた」 「終わりだ、全てを消そう」 男性の顔つきは『普通』に戻る。
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