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強盗達が逃げてから数秒後、客達は辺りを見回しながらゆっくりと立ち上がる。
原田「桜庭!お前それ俺が貸してたモデルガンだろ!」
角刈りのそこそこ筋肉がある青年が金髪ショートヘアの男性の元へ歩いて行く。
桜庭「人間、誰でも自分に対するリスクには弱いもんだ」
桜庭「相手が拳銃じゃナイフではどうしようもないってな」
桜庭「なかなか精巧にできてるじゃないかこのモデルガンは」
原田「いや、それよりどうやって出したんだよ『あの音』」
桜庭「?」
原田「発砲音だよ。俺も本物かと思ってビックリしたよ」
桜庭「聞いた事あるのか?拳銃の発砲音」
桜庭「本物はもっと音が重い」
桜庭はポケットから『爆竹』の箱を取り出す。
桜庭「『モデルガン』とたまたま100均で買った『爆竹』。この二つが揃うのも随分と確率の低い話だ」
桜庭「相手にモデルガンと把握されないよう、ある程度は距離はとった」
原田「あいかわらずスゲェなお前は。しかし」
原田「逃げなかったら?」
原田「もし逃げずに桜庭に向かって立ち向かおうとしていたら?」
桜庭「それはない」
桜庭「奴等に『本気で犯罪』を犯す気配は見れなかった」
原田「?」
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