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そして今
ガリヤクザ「……」
デブヤクザは無表情で、入り口の窓の方向に指を差している。
ガリヤクザ「……」
敵?略奪者?
彼はデブヤクザに待ての合図をし、拳銃を構えた。
……そして小声で
ガリヤクザ「ここからじゃよく見えねぇな、何者だ?来客か?」
デブヤクザ「いや、ただの酔っ払いにみたいっす」
デブヤクザは困った様子でそれを『凝視』していた。
デブヤクザ「部屋間違いかぁ?よっぽど飲んでるなぁこいつ」
「ふひ……ふひひひひ」
気味の悪い笑い声が事務所内に響き渡る。
ガリヤクザ「…万が一だ。油断はするな」
入り口付近に立っていたのは、三十路近くのスーツを着た男性だった。
いや、むしろホームレスに近い外見か
虚ろな瞳、髪の毛はボサボサという変な容姿。
不気味な笑い声を出しながらその場で直立姿勢で立っている気味の悪さ。
考えられるなら『気狂い』か『酔っ払い』。
それ以外の検討がつかない。
ガリヤクザ「……おっさん。ここは飲み屋じゃねぇぞ」
ガリヤクザは呆れた様子でそう呟いた。
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