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ガリヤクザはおっさんに向かって確実に拳銃を発砲したはずだった。
しかし、そいつは何事もなかったかのように平気で立ち尽くしている。
後ろの扉には銃痕などついていない。
天井にも壁にも何処にも『銃痕』なんてない。
ガリヤクザ「テメェ…何かしやがったな。ぼ、防弾チョッキか?」
ガリヤクザ「ナメた真似してくれるじゃねーか…んの野郎」
ガリヤクザ「ヤクザをナメてんじゃねぇぞ!」
完全に血が昇ったらしく、ガリヤクザは逆上した様子でおっさんに近寄る。
デブヤクザ「落ち着いてください兄貴!何を隠してるかわかんねぇっすよ!」
ガリヤクザ「うるせぇ!うちの紋の沽券に
ガォンッ
ガリヤクザがおっさんの顔面を殴ろうとした時、『異変』は起きた。
デブヤクザ「…」
空気圧が急激に変化する音というか、いや猛獣の鳴き声のようなものか
人生で一度も聞いた事ない奇妙な音が事務所内に響き渡る。
同時に起きた『異変』とは
ビチャッビチャッ
ガリヤクザの腕から先がソーセージの輪切りのように消え去った。
ガリヤクザ「…え」
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