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微笑んでるあたしに向かって耳元に花を一輪差した彼はニッコリと笑いながら口パクしている。
…わからない。
人差し指を出して『もう一回』とこちらも口パクすると、仕方ないなぁという顔をして耳元の花を取り外し、今度はもっとゆっくりと口を動かした。
今度は彼が微笑みながら、その一輪の花をあたしに向けて。
『 』
一瞬驚いたけど、ゆっくり頷いて、『次、中庭で』と伝えた。
彼の表情を確認し、少し安らいだ頭を黒板に向ける。
授業終了まで、あと10分。
次の時間は、芝生に寝に行こう。
嬉しそうに笑った彼に会えるように願いながら。
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