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「おっはよー」
「…朝から馬鹿みたい元気だな」
「ヒドッ!!」
この朝からうるさい馬鹿、もとい小川祥太(オガワショウタ)は中学校からの俺の親友だ。
本人は気付いてないみたいだけど、常に頭の中がおめでたい事になっている。
脳みその使用頻度が低いのだ。
まぁそんな祥太の事を人は、天然、と呼ぶらしい。
俺に言わせればただの馬鹿だ。
「馬鹿に馬鹿と言って何が悪い」
「…ば、馬鹿じゃないもん…」
「どこが?」
「ぅ…」
あぁ、ちょっと朝から苛めすぎたかな。
何だかもぅ泣きそうだ(笑
「ゴメン祥太、言い過ぎた」
「ぅ…うわぁあん!!遊人の馬鹿ー!鬼畜大魔王ー!」
「てめぇ…誰が鬼畜大魔王だって?」
「だってそうじゃんか!いっつも俺の事苛めるじゃんか!」
そりゃまぁそうだけど。
「祥太が馬鹿すぎるから苛めたくなるんだよ」
「また馬鹿って言った!」
「だから何度言えば分かる。馬鹿に馬鹿と言って何が悪い」
「ぅ~…」
「お前ら朝っぱらからうるせぇな…」
「「怜!」」
白熱する俺と祥太のデットヒート(一方的に俺が攻めてはいるが)を沈めるかのような、クールな声が上から振って来た。
「まぁ元気なのは何よりだが…」
コイツは、祥太と同じく中学からの俺の親友、上杉怜(ウエスギレイ)だ。
あまり喋らず、めったに笑顔がお目にかかれない。
しかし本人はカワイイものが大好きで、女の子が立ち寄るようなファンシーな店の前を通り掛かると目をキラキラさせていたりする。
ちなみに怜の声が上から降ってきたというのは、怜の身長が185cmとデカいからだ。
俺は173cmで祥太は167cm。
まぁ大中小って感じだな。
そういえば自己紹介して無かったな。
俺の名前は佐田遊人(サダユウト)。
バカ祥太とオトメン怜の親友やってます。
この親友共が俺を日々悩ませているわけで。
そんな俺の苦労話。
聞いてみますか?
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