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「ピアス変えた?」
「へ?」
ピ、ピアス?
確かに怜は、耳に3ヵ所程ピアスを開けている。
しかし付けているピアスは石が付いただけの小さなモノだし、何より髪で隠れて殆ど見えない。
「怜、ピアス変えたの?」
「…変えた」
何故か怜は口許を手で隠しながら、そう答えた。
まぁなんとなく理由はわかるけど。
「ほらな!俺の言った通りじゃん!俺天才~」
「天才かどうかはさておいて。マジでピアス変えたの?怜」
「変えた。前の青い石のやつから赤い石のやつに」
「へぇ、俺全然気が付かなかった」
「俺も気付くと思わなかった」
いつもはことごとく鈍い祥太がこんな些細な事に気付いたのには流石の俺も少し感心してしまう。
でもそんな俺の感心を余所に、調子に乗ってしまう馬鹿がいるわけで…。
「やっぱ俺ってスゴいんじゃん!」
はい、出た。
「怜っ!俺スゴくね?」
あぁ、そんな笑顔で怜に近付いたら…。
「祥太…気付いてくれてありがと」
先程と同様に祥太の頭を軽く撫でる怜。
(完全に花が飛んでるな)
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