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「このゲーム面白いからやってみなよ。」
明日から夏休み。
学校からの帰り道、友人は1本のゲームソフトを別れ際に俺に手渡してきた。
「なにこれ?5枚組のゲームだなんて超大作じゃん!で、なんのゲームなの?」
「ん~、一応RPGなんだけど…」
「だけど?」
「うん、まぁやってみりゃ分かるよ!」
「なんだそりゃ?」
「ちなみに俺、クリアー出来てないから。」
「え?うちの学年で1、2を争うゲーマーのお前が?クリアー出来ない?そんなに難しいのか?」
「いや、難しいっつーかなんつーか…とにかくやってみなよ。どーせ夏休みは予定とかないでしょ?」
「あ、ああ…って、どーせとかちょっと失礼じゃね?」
俺は友を叩く仕草をすると、友はケラケラ笑いながら走って少しだけ前に行く。
「ゴメンゴメン!俺は違うやつ買ったからそっちをやらなきゃなのよ。せいぜい頑張りなよ!じゃな!」
そう言うと友は手を振りながら分かれ道を自分の家へと曲がり行く。
「おうよ!クリアーしてお前を見返してやっかんな!またな!」
俺はそんな友の背中に向けて叫んだ。
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