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これほど美しいものは今まで目にしたことがなかった。
彼女の肌は世界に降り積もるどんな白銀の粉雪よりも白い。彼女が純白の心を持った天使なのではないかと思わされるほどの錯覚を覚えさせられる。
柔らかな長髪がなびいた。ちらつく髪の間からは、端整な鼻と淡く色付いた果実を思わせる唇が見え隠れする。この世界の全てを知るかのようなその瞳。
世界が止まった。
都会の騒乱、この人ゴミすら私の目にはもう入らない。
もう、彼女しか目に映らない。
か細い、か細すぎる、華奢な体つきのその女性……さぁ、今すぐ手を差し伸べて――
その血を全て飲み干したい
その体の中の血、全てを私の物に
ソノ、ソノ血ヲ私ノ――
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