第一話

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※ ~ ※ ~ ※      あぁ……しまった。私はとんでもないミスを犯してしまった……これはとんでもない事をしてしまった。これまでの幾度もの経験上で……何故今回に限ってこんなミスを犯してしまったのだ!?  食した後は必ず処理をしておかなくては人間どもから疑いの目が向けられてしまう……。いけない、このままでは私の存在が危うい。……こんな非情事態なのに私はまたもアレを食したくてたまらない……。        何故ニンニクを食した後のブレスケアを忘れてしまったのだ!?    いじめか!? これはいじめなのか!? 毎日毎日、脳にプログラミングされたかのようにニンニク料理店に通い、最後にあの十八番のニンニクラーメンを食す! その中で公共のため……なにより私の食欲が再度湧かないようにするためのブレスケアを何故忘れた!?  あぁ、今日に限って何故あの店主は口直しの消臭ガムをくれなかったのだ? うぅ……周りの人間が私をジロジロ見てくる……。恥ずかしい。人間の若造どもが明らかに丸聞こえの陰口を言っている。ニンニクの匂いのどこが悪い? 貴様らのように香水やらワックスやらをベトベト塗りたくっているその方がよっぽど公共の害だ。さらに痛いのは大人達の目だ。さすがだ。わかっているではないか。    その目だけは汚物を見るかのように釘打っているがな。
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