狭間の存在価値

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「ここでお前の妹が死んだ。そうだな?」 俺は震えながら頷いた。 「で、お前がここに来た理由は…」 「なんなんだよ!!」 俺は立ち上がり叫んだ。 「いきなりこんな意味わかんねぇ所につれてきて!!お前は俺の何を知ってんだ!!ふざけんじゃ…」 「炭坂凛夜、17歳。父・母・妹の4人家族…」 リオスはいきなり話しだした。 俺の意味不明な過去を。 「14歳の時、父、母が消えた。今でも消息不明。お前は当時3歳だった妹、凛奈と2人で生活しはじめた」 「やめろ…」 「10日前の6月2日。3時頃大雨が降りだし、既に家に帰っていた小学一年生になっていた凛奈は、兄のお前に傘を届けようとして、河の近くを通り、足を滑らせ河に落ち、その後死体となって発見。男物の大きめの傘を胸にしっかりと抱いた状態で…」 「やめろ!!」 俺は再び叫んだ。
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